2009年5月20日水曜日

外国人雇用は急増の「背景」

前回は外国人社員急増の現状についてお話しさせて頂きしたが、
今回はその背景について話したいと思います。

このような考え方をする企業が増えてきた背景には、
日本全体の労働人口の減少という「悩みのタネ」があります。

それにより、優秀な新卒社員の減少、既存社員の高齢化、
理系離れによるエンジニアの不足などが顕著になっているのです。
特に、昨年から技術開発を支えてきた団塊世代の大量退職
が始まっているエンジニアの場合、人材不足はかなり深刻です。

ITブーム時のように外資系企業や中堅IT企業だけが外国人
エンジニアを採用した時代と、昨今の流れは明らかに違うそうです。
現在は海外売上高比率が高い自動車や精密機械メーカーだけでなく、
幅広い業種の企業が一般の日本人と同じ土俵で働ける外国人の
新卒者を普通に採用するようになって来ました。

外国人社員を一時的な“助っ人”人材として見るのではなく、
将来の企業経営におけるリソースとして長期的に取り入れよう
としています。とはいえ、外国人採用に関する日本企業の経験は、
欧米と比べればまだ浅いだけに、失敗も少なくないです。その人の
出身国や地域によって、価値観や志向性、性格、異文化適応力など
が少しずつ違うからです。

それを踏まえたうえで面接、採用しないと、失敗する確率は高くなる。
無論、日本語が堪能な人ばかりではないため、現地や来日後における
日本語教育にも、相当な時間とお金がかかるでしょう。このような
トレンドもあって、現在、人材派遣会社などでは、続々と中国や
アジア各地にエンジニア向け日本語教育と日本のビジネスマナー
を専門的に指導する会社を設立しています。 

日本語が堪能なうえに日本のビジネスマナー、IT技術までも習得
した人材を海外や国内で育成できれば、人口減少の一途を辿る
日本にとって、こんなに心強いことはないです。 

しかし、受け入れるからには責任も重いです。外国人にとっては、
自らが戦力として対等にみなされ、仕事に合ったキャリアパスを
描けることが理想です。日本型の年功序列制度や、日本企業独特
の目に見えないアイマイの呼吸の壁に阻まれれば、外国人は日本
から去ってしまうでしょう。従いまして日本企業が外国人を受け入れ
体制、外国人を管理できるリーダーの育成などは課題ではないでしょうか。

金融危機後の大再編でますます“職場のグローバル化”が加速か
そもそも少子化は、なにも日本だけの現象ではないと思います。
シンガポール、ドイツ、フランスなど人口減に悩む先進国の企業は、
優秀な人材確保のため、莫大な費用を投じてあの手この手の優遇策
を用意しています。

今や世界規模で優秀な人材の争奪戦が繰り広げられています。
言い換えれば、優秀なグローバル人材を確保し、能力を発揮してもらう
ことができるかどうかが、企業が生き残って行くためのカギとなります。 

日本の人口は、2004年の1億2800万人をピークに下降し始め、
2030年には生産年齢人口が1700万人も減少すると予測されています。
このような状況下、今後は日本企業にとっても外国人の確保が「死活問題」
となることは明白です。そのプレッシャーは、景気後退不安による一時的な
雇用調整の波など覆すほどのインパクトをもたらしています。金融危機後の
企業再編のなかで今後は外国人採用だけが急増して行く可能性もあるのでは。

近い将来、典型的な日本企業のオフィスにおいて、あなたの席の両隣に中国人
やフランス人や韓国人が座り、本社役員や幹部クラスのほとんどに外国人が
就任するようなことも、珍しくなくなる日が来るかもしれないですね。
「うちは外資系じゃないから」などとたかをくくっている日本人社員は、
優秀な外国人社員との競争に勝ち残れなくなるでしょう。